新生児内科のご紹介

 

早産などにより出生した低出生体重児や、呼吸障害などの治療が必要な病的新生児を治療しています。

 

新生児集中治療室(NICU)とは?

赤ちゃんはお母さんの子宮内では胎盤から酸素や栄養物質を供給されて大きくなっていきますが、生まれた瞬間からは自分の肺で呼吸をしたり、自分の口で栄養を摂取しなければいけません。そのため胎内から胎外への急激な変化に適応できず、呼吸障害や低血糖などさまざまな症状をきたして治療を必要とすることがあります。

 また、予定より早く生まれた低体重の早産児や、心臓病などの生まれつきの病気を持った赤ちゃんに対しても治療が必要です。これらの赤ちゃんに集中治療を行うところが新生児集中治療室であり、一般的にNICUNeonatal Intensive Care Unit)と呼ばれます。

 

全国有数の新生児集中治療室(NICU

  鹿児島市立病院総合周産期母子医療センターの新生児内科病棟は、NICU 36床、GCUGrowing Care Unit 12床、回復室 32床の合計80床を有しており、公的病院の新生児病棟では国内最大の病床数です。

年間約700人の入院を受け入れており、鹿児島県の早産児および病的新生児の約80%以上を診療しています。特に、県内で1000g未満で出生した赤ちゃんについては当科がほぼ全症例の治療を行っています。

低出生体重児の内訳として、出生体重1000g未満の超低出生体重児 約50人〈出生体重700g999gにおける生存率約95%〉、10001500gの極低出生体重児 約60人〈生存率約98%〉、15002500gの低出生体重児 300人〈生存率約99%〉)が入院し、年間約200例に対して人工呼吸器を用いた治療を行っています。鹿児島県新生児死亡率は40年前までは全国的にも高い水準が続いていましたが、2013(平成25)年には新生児死亡率は1000分の1.0まで改善されています。

これまでの40年間で、約3万人の早産児および病的新生児の治療を行っており、国内でもトップクラスの豊富な診療実績を有しています。

24時間体制の搬送体制とチーム医療

 小児外科、眼科、脳神経外科、心臓血管外科、形成外科、泌尿器科等の診療科と連携し、年間約40例におよぶ新生児外科手術を行っています。さらに、鹿児島県には当院の他、鹿児島大学と今給黎総合病院にNICUが設置されていますが、これらのNICUとも定期的なカンファレンスを開催し、赤ちゃんの状態に応じた転院などを通じて医療連携を行っています。

また、院外で出生した早産児や呼吸障害など治療が必要な赤ちゃんの搬送を積極的に行っています。新生児医療では保育器や新生児用の人工呼吸器など、特別な医療機器が必要です。そのような設備を車内に備えた新生児専用の高規格救急車(こうのとり号)を24時間体制(医師1/看護師1人同乗)で運用しており、年間約90件の搬送を行っています。離島を含む長距離の搬送では、市立病院ドクターヘリのほか鹿児島県防災ヘリコプター、自衛隊ヘリコプター、新幹線も利用し、一秒でも早く治療を開始することで赤ちゃんの障害なき生存をめざしています。

 特に、多くの離島を医療圏に含むため年間約40症例におよぶヘリコプターによる新生児搬送を行っており、航空医療における新生児搬送のオピニオンリーダーとなっています。

 

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            ドクターヘリに保育器を搭載するための                           新生児専用救急車

            専用の設備を有しています             

 

 

 

赤ちゃんに対する高度先進医療 

 主な治療対象となる疾患は、早産・低出生体重児、新生児呼吸窮迫症候群、胎便吸引症候群、重症新生児仮死による低酸素性虚血性脳症、種々の周産期感染症や外科疾患、先天性異常などです。

 最新の人工呼吸器および呼吸循環監視モニターを用いた呼吸循環管理、膜型人工肺を用いた体外循環による呼吸循環補助(ECMO)、血液浄化療法(持続血液ろ過透析療法(CHDF)、エンドトキシン除去療法など)、気管支ファイバースコープによる内視鏡検査、低酸素性虚血性脳症に対する低体温療法など、高度先端医療も積極的に行っています。

 また、重症で多くの医療機器を使用している赤ちゃんは、医療機器を外して検査等のために長時間移動することが困難です。そのような移動の負担を軽減するため、当院では全国でも珍しくNICUに専用の透視室や手術室を併設しています。さらに手術室とは別に、NICUのうちの1床には、NICUとしては世界で唯一(2018年現在)Operaシステム(独ドレーゲル社製)が導入されています。このシステムは、ベッド周囲の空気を手術室と同等の清潔環境にするシステムで、特に重症の赤ちゃんの手術を、手術室へ移動することなく行うことができます。

 

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     ドレーゲル社製Operaシステム

 

赤ちゃんにやさしいケア 

 これまでの新生児医療は、赤ちゃんの命を助けるのに精一杯で、その治療技術の進歩ばかりが注目されていました。しかしながら、最近になってその養育環境や家族への配慮の重要性が叫ばれるようになってきています。

 そこで、母乳を大切にした栄養管理、最新の保育器と空調による温度管理、NICUにダウンライトを配置して暗くし、モニター音をなるべく小さくして、赤ちゃんに光や音のストレスを与えない環境を構築しています。また、昼から朝までの両親面会延長を行っています。21世紀になり、この世紀を支えていく子どもたちを救命していくNICUは、さらなる高度医療技術の進歩と養育環境や家族への配慮を考えるやさしさの両輪で進んでいくものと考えられます。

 

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扱う主な疾患・治療

 低出生体重児、呼吸障害、染色体異常、先天異常、新生児外科症例(脳外科疾患、動脈管閉鎖術を含む)、新生児仮死、黄疸、感染症、痙攣や低血糖など

 

 保育器による体温管理、人工呼吸器管理、呼吸循環監視モニターを用いた呼吸循環管理、膜型人工肺を用いた体外循環による呼吸循環補助(ECMO)、血液浄化療法(持続血液ろ過透析療法(CHDF)、エンドトキシン除去療法など)、低酸素性虚血性脳症に対する低体温療法など、各種高度医療を含む集中治療を行っています。

専門外来

 新生児内科病棟を退院したお子さんのフォローアップ外来

 ・遺伝相談外来


診療実績 (2014-2017年)

                            年間平均症例数

年間入院数                         652

超低出生体重児(出生体重1000g未満)                 53

極低出生体重児(出生体重10001499g)              64

低出生体重児(出生体重1500g2499g)             284

新生児手術症例                                      42

(未熟児網膜症に対する網膜凝固術、動脈管結紮術、水頭症に対する減圧術を含む)

人工呼吸器管理症例                                     201

低体温療法施行症例                                        8

ECMO施行症例                                            4

院外出生症例                                          182

 

こうのとり号による搬送入院数               90

ヘリコプターによる搬送入院数                 37

 


学会認定施設など

・日本周産期新生児医学会
・新生児専門医基幹研修施設


スタッフ紹介
役職 氏名 認定医・専門等資格名

部長

茨 聡

・新生児専門医制度指導医

・鹿児島大学医学部臨床教授 客員教授

・産婦人科専門医

・外国人医師臨床修練指導医

・臨床研修指導医

・日本周産期新生児医学会 新生児蘇生法委員会

   副委員長

・新生児蘇生法インストラクター

・日本産婦人科医会 母子保健委員会 委員長

・日本新生児生育医学会 理事

科長

石原 千詠

・日本小児科学会専門医

・日本アレルギー学会専門医

・新生児蘇生法インストラクター

・周産期・新生児専門医

医長

内藤 喜樹

・産婦人科専門医

・新生児蘇生法インストラクター

・周産期・新生児専門医

医長

山本 剛士

・小児科専門医

・新生児蘇生法インストラクター

医師

高山 達

・小児科専門医

・新生児蘇生法インストラクター

医師

山本 将功

・産婦人科専門医

・新生児蘇生法インストラクター

医師

木部 匡哉

・小児科専門医

・新生児蘇生法インストラクター

医員

村尾 紀久子

・小児科専門医

医員

早坂 格

・小児科専門医

・新生児蘇生法インストラクター

・周産期・新生児専門医

医員

大橋 宏史

・小児科専門医

・新生児蘇生法インストラクター

医員

神原 正宜

・新生児蘇生法インストラクター

医員

久保 雄一

・小児科専門医

・新生児蘇生法インストラクター

医員

栗本 朋典

・新生児蘇生法インストラクター

医員

屋良 朝太郎

 

医員

三上 裕太

・小児科専門医

・新生児蘇生法インストラクター

医員

杉田 光士郎

 

医員

祝迫 洋樹

 

医員

濱野 聖菜

 

嘱託医

村田 雄二

・産婦人科専門医

・大阪大学医学部名誉教授

嘱託医

佐野 のぞみ

・小児科専門医

嘱託医

小八重 秀彦

・小児科専門医

嘱託医

池田 敏郎

・産婦人科専門医

・臨床遺伝指導医

嘱託医

桑原 貴子

・産婦人科専門医

・新生児蘇生法インストラクター

外来診察・担当医師
研修医の先生へ

当センターのベッド数は80床(NICU 36床、GCU 12床、回復室 32床)で、全国の公立病院では最大の新生児病棟です。年間約650人の入院があり、年間約400人の低出生体重児(うち超低出生体重児 約50)、年間約200人の人工呼吸器管理症例、約40人の新生児外科症例( 脳外科疾患、動脈管結紮術を含む )の治療を行っています。

低出生体重児の一般的管理をはじめ、呼吸窮迫症候群(RDS)、胎便吸引症候群、低酸素虚血性脳症、種々の先天性心疾患などの診断、治療を経験できます。

また、最新の人工呼吸器および呼吸循環監視装置を用いた呼吸循環管理、膜型人工肺を用いた体外循環による呼吸循環補助(ECMO)、血液浄化療法(CHDF、エンドトキシン除去療法など)、低酸素性虚血性脳症に対する低体温療法などの先端医療も積極的に行っています。

人工呼吸器や保育器、呼吸心拍監視モニターを装備した新生児専用ドクターカー(こうのとり号)を運用しており、年間90件の新生児搬送を行い、年間40件のドクターヘリ搬送も行っています。

これまでに約330名の先生方の研修を受け入れており、研修後は全国のNICUで活躍されています。当科での研修の特色として、豊富な診療経験ができるほか、多くの医師とのコミュニケーションを通じて広い視野での診療を学ぶことができます。

 

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搬送依頼の際は当院へご連絡後、入院連絡表(グリーンシート)をFAXしてください。

 

グリーンシート エクセル形式

鹿児島市立病院 〒890-8760 鹿児島市上荒田町37番1号
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