- 脳神経外科 KAGOSHIMA CITY HOSPITAL

脳神経外科

脳神経外科のご紹介

脳神経外科は脳、脊髄、末梢神経など、神経系全般の病気を主に手術で治療する診療科です。
多くの病気が対象になりますが、鹿児島市立病院では、脳卒中(クモ膜下出血、脳出血、脳梗塞)、頭部外傷、脳腫瘍、先天奇形、機能的疾患(三叉神経痛、顔面けいれんなど)、脊髄・脊椎疾患の治療を手がけています。

鹿児島市立病院脳神経外科の特徴

1.脳卒中・脳血管障害
突然発症する脳血管障害、いわゆる脳卒中には、クモ膜下出血、脳出血、脳梗塞がありますが、当院では、24時間365日体制で受け入れており、脳卒中担当医が対応します。救命救急センター、脳卒中センター(SCU=Stroke Care Unit、ストロークケアユニット、脳卒中専門病棟)、救急病棟、特定集中治療室(ICU)で診療に当たります。
脳動脈瘤手術は以前から当院の看板でありましたが、平成29年度から急増しています。治療法は従来の開頭しクリッピングを行う方法と、最先端の技術を駆使した脳血管内治療によるコイル塞栓術、どちらも可能です。特に症状の軽い脳動脈瘤や未破裂のものに対しては側頭部頭髪を少しだけ刈って小さな皮膚切開を設ける小開頭クリッピングを行っており整容上もご満足いただいています。

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また脳動静脈奇形の治療では鹿児島県で唯一ライセンスを持つ西牟田洋介医師がonyxという塞栓物質を使った血管内手術を行い、その後開頭し摘出するという最先端の治療を年に5~10例行っており、高い安全性と良好な成績を挙げています。

2.脳血管内手術
当院では脳梗塞に対する超急性期治療を積極的に行っていますが、発症後4.5時間以内に行うt-PA治療は勿論、その後行う血栓回収術も万全の体制で臨んでいます。詳細は脳血管内手術をご覧下さい。
また脳血管内手術では、脳梗塞治療の他、上記の脳動脈瘤コイル塞栓術、脳動静脈奇形塞栓術、そして頸動脈ステント術等を行っています。これらは平成28年度から当院に赴任した西牟田洋介医師により症例が急増していましたが、更に2019年4月1日より脳血管内治療専門医である2名の神経内科医がスタッフとして加わり、更に充実しています。

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3.経内視鏡血腫除去術
当院へは年間100例程度の脳出血の方が入院されますが、その内20~30例に対して手術による血腫除去が必要となります。
脳出血の手術は従来大開頭を行うものでしたが、山田正彦医師により内視鏡を用いた手術が行われ、短時間、かつ良好な成績が得られています。またこの手術であれば、局所麻酔で行うことも可能であり、高齢者や全身状態に問題のある患者さんに対しても良い手術法となっています。

4.小児脳神経外科
当院はこれまでも小児の脳神経系の病気に対して多くの症例を手がけてきましたが、平成30年度からは、鹿児島大学脳神経外科の大吉達樹講師が定期的、かつ緊急時にも同疾患に対応する体制が出来上がりました。
詳細は小児神経外科をご覧下さい。

5.その他、当院の特徴的治療として、良性脳腫瘍、脊髄・脊椎手術、神経血管減圧術があります。
これらの手術件数も平成29年度から急増しています。 

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良性腫瘍では聴神経腫瘍、髄膜腫を手がけていますが、特に聴神経腫瘍は時村が100例を超える経験を持ち、九州内でも有数となっています。脊椎・脊髄手術は平成29年度から森正如医師により症例が増えて来ました。
三叉神経痛、顔面痙攣に対する神経血管減圧術は時村が30年来手がけ、300例を超す治療ですが、90%以上の治癒率、3%の合併症発生率という高い成績を挙げています。また最近、多くの歯科施設から歯科疾患でない歯痛、歯肉痛、上下顎痛としてご紹介いただき、この手術で痛みから解放される患者さんが増えています。

6.新しい創傷管理
当院では新しい創傷管理をいち早く取り入れています。手術においての全剃毛は行わず、皮膚切開線のみの除毛(完全無剃毛も可能)しか行いませんし、術後の創部の消毒はせず洗髪しますし、洗髪後もガーゼ、包帯は巻かず快適さをお届けしています。勿論この新しい創傷管理が原因である感染等不都合は起こっていません。

総手術件数は年間350~450例ですが、ご紹介申し上げました通り、開頭術、脳血管内手術を駆使し、脳動脈瘤、良性脳腫瘍、脳出血、小児脳神経外科疾患、三叉神経痛、顔面痙攣、脊髄手術などを得意としております。
症例も平成29年度から急増しておりますし、これらの病気でお困りの患者さんや医療機関の先生方はご一報いただければ責任を持って担当させていただきます。

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文責(鹿児島市立病院脳神経外科部長 時村 洋)

専門外来

・小児 (大吉先生)

専門外来 希望の方は、電話予約が必要です。

スタッフ紹介

氏名 プロフィール

副院長
部長
時村 洋

認定医・専門等資格
  • 日本脳神経外科学会専門医/指導医/代議員
  • 日本脳卒中学会専門医/指導医/代議員
  • 日本脳卒中の外科学会技術指導医/代議員
  • 日本臨床神経生理学会専門医(脳波・筋電図・術中脳脊髄モニタリング)/指導医/代議員
  • 日本脳腫瘍の外科学会評議員
  • 日本整容脳神経外科研究会幹事
  • Congress of Neurological Surgeons(米国)会員
  • 鹿児島大学医学部臨床教授
  • 医学博士

科長
西牟田 洋介

認定医・専門等資格
  • 日本脳神経外科学会専門医/指導医
  • 日本脳神経血管内治療学会専門医/指導医
  • 日本脳卒中学会専門医
  • 医学博士

科長
新納 忠明

認定医・専門等資格
  • 日本脳神経外科学会専門医/指導医

科長
石神 崇

認定医・専門等資格
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本内科学会認定医
  • 日本神経学会専門医

医長
細山 浩史

認定医・専門等資格
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本てんかん学会認定医(臨床専門医)
  • 日本小児神経外科学会認定医
  • 医学博士

医師
佐藤 雅紀

認定医・専門等資格
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本脳神経血管内治療学会専門医
  • 日本救急医学会救急科専門医

医員
森川 将行

 

医員
井上 惠理

 

外来診察・担当医師

研修医の先生へ

救命救急センター、脳卒中センターを有する脳神経外科として24時間体制で救急疾患に対応しており、常時入院患者は35~45人で、脳卒中一般、脳腫瘍、頭部外傷だけでなく、小児から脊髄外科まで幅広い研修がおくれます。
2ヶ月の研修期間中に的確に救急患者さんの病態を把握し、補助検査を駆使して正確な診断をつけ、適切な治療方針を決定できることを目標に研修体制を整えています。手術件数は年間350~450例で、救急症例数も多いので、有意義な臨床研修がおくれると思います。
脳神経外科医を志す人も、脳神経外科専門研修プログラムに入っているので習得しやすい環境です。現在多くの臨床研修終了医が脳神経外科専門医となって活躍しています。