救命救急センター-03-ショートインタビュー

INTERVIEW

インタビュー

鹿児島市立病院救命救急センターで活躍されているみなさんに、救急科の魅力についてインタビューしました。

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上原 光平 先生

INTERVIEW #01

内科か外科で迷っている人こそ、 幅広い経験ができる救急はおすすめです。

上原 光平

2020年卒業

鹿児島市立病院救急科の研修を受けた感想を教えてください。

研修が厳しくてハードと聞いていたのですが、全くそんなことはありませんでした。いい意味で鍛えられますし、修行するにはとてもいい研修先で、自分で診療を組み立てるトレーニングに適しています。自分の中で予想した疾患が、実際に検査してその通りだと、間違っていなかったと自信につながります。救急では命に関わる場面が多いので、搬送されてきた患者さんの検査の順番も重要です。頭で組み立て、手を動かしながら次にすべきことを考えていく。その場その場の判断が非常に大切だと感じています。

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研修内容や救急科の雰囲気はどうですか?

初期研修1年目のときはローテーションで2ヶ月間救急科にいました。2年目は自ら選び、1ヶ月間いました。1年目は入ったばかりで右も左も分からない状態でしたが、2年目で救急科に戻ってきたとき、自分自身でも成長を感じられたのがうれしかったです。
研修は、まず初期対応を経験し、問診をすすめ、危ないようなら治療介入します。慣れていくと診療の幅が広がっていきます。命に関わる症例になればなるほど、自分の判断と動きが重要になってきますが、正しいジャッジができていると思っています。上級医の方たちは教育熱心で相談しやすいです。しっかりと見守ってくれる親のような先生や、気軽に声をかけてくれるお兄さんみたいな先生もいます。

 

救急科のやりがいについて教えてください。

教科書で読んできたことを現場でつなぎ、自分の中で納得できたときにやりがいを感じます。毎回発見があると同時に、もっとこうするべきだったという反省点も出てきます。また、他の科でも勉強したことが救急の現場でも通用するなど、まだまだ知らないことがあって、一つひとつが勉強になり幅が広がっていくことも楽しいですね。実はこのインタビューの最中に、院内急変の対応のため途中で抜けてきたんです。挿管して状態を整え、安定したのでホッと一安心して戻ってきました。他の病院だったら研修医に挿管させてはくれないと思います。少しずつ任せてもらい、認められていくのがうれしいです。

 

救急科を目指す人へメッセージをお願いします。

救急というと事故や災害などによる外傷のイメージが強いかもしれませんが、内科系の救急も多いです。だから進路をまだ決めきれていない人や、内科か外科で迷っている人こそ、内科的トレーニングと外科的トレーニングの両方ができる救急はおすすめです。
市立病院では一次救急から三次救急までやっているので、本当に幅広く学ぶことができます。

 

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中馬 直人 先生

INTERVIEW #02

最初から即戦力として見てもらえるので、独り立ちできるのが早い環境です。

中馬 直人

2020年卒業

後期研修先に鹿児島市立病院救急科を選んだ理由は?

自由に自分のプログラムを組めることに魅力を感じて選びました。ちなみに初期研修は鹿児島医療センターで受け、そこで救急科に興味を持ったんです。鹿児島市立病院では、半年間別の病院に研修に行くこともできます。私は県外の病院の救急科で学ぼうと思っていますが、県外でも許可してくれる自由度の高さに魅力を感じています。また、2年目以降に内視鏡の勉強がしたかったら、週に1回市立病院の消化器内科で内視鏡の研修も受けられますし、手術の勉強をしたかったら、それぞれの科で学ぶこともできます。

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救急医療に興味を持った理由は何ですか?

初期研修の際、救急科のスピード感や正確な診断で方針を決定する責任感の大きさに、やりがいを感じました。実家が内科のクリニックなので最終的には跡を継ぐ予定ですが、幅広くさまざまな症例を学びたいと考え、後期研修では救急科を選びました。

 

研修の内容について教えてください。

今までは重症の患者さんを自分一人で最初に診ることはなかったのですが、市立病院では最初から一人でやらせてもらえるので独り立ちできるのが早いと思います。救命救急センターのOJTは期間としては短いです。基本的にシフトをこなしながら覚えていきます。ドクターヘリとドクターカーに関しては、それぞれ3ヶ月と1ヶ月のOJTがあります。

救急科を目指す方へメッセージをお願いします。

最初から戦力として見てもらえることに、とてもやりがいを感じます。もちろん一人だと不安なこともありますが、上級医の方たちがしっかりと気にかけて軌道修正もしてくださり、かつ相談もしやすく、なんとか乗り切れています。プレッシャーもありますが、それも含めて魅力的な環境だと思います。

 

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大平 将敬 先生

INTERVIEW #03

任せてもらえる場面が多く、 日々の成長を実感できる環境です。

大平 将敬

後期研修先に鹿児島市立病院救急科を選んだ理由は?

初期研修のときも鹿児島市立病院救急科で学んでいました。後期研修先として他の科も検討していたのですが、2つ上の後期研修医の先輩方がテキパキと動く姿を見て、重症患者の初期対応や病棟患者の急変時の対応など、「ここで学ぶと力がつく!」と思えたんです。初期研修の最初の頃は、どうしたらいいか分からず足が動かなかったこともありました。しかし現場に出る中で以前の経験が活かされ、先生方にも背中を叩かれながら成長してこられたと自負しています。また、救急科は疾患の幅にとらわれません。いい意味で広く浅くですが、若いときに経験しておくと、将来他の科でも役立つと思いました。

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院内の雰囲気について教えてください。

普段からグループLINEなどで先生方に相談できるいい雰囲気だと思います。現在救急科には13人いますが、いろんなバックボーンのある先生方がいらっしゃるので勉強になります。歳の差や経験の差はありますが、コミュニケーションはとりやすいです。部長とは30歳離れていますが、とても親しみやすく、私たち専攻医の意見にもしっかりと耳を傾けてくださいます。

後期研修ではどのようなことを学びますか?

ER業務全般、病棟業務、ドクターヘリやドクターカーなどのプレホスピタル業務です。
ドクターヘリとドクターカーはどちらも経験しています。院内よりもさらに情報が少なく資源もない状況の中で、医療介入しながらどの病院に搬送したらいいかを決めなくてはいけません。
入院患者さんについては、上級医のサポートを受けながら、3、4人の患者さんを担当し、ご家族への説明も行います。ご家族に話すときは、なるべく専門用語を使わずに分かりやすい説明を心がけています。現在コロナ禍で患者さんと会えないので、ご家族にはこまめに連絡するようにしていますね。

市立病院救急科で研修を考えている方々へメッセージをお願いします。

当直中など自分一人で対処する場面があるので、すごく力がつくと思います。私自身、1年前と比べるとだいぶ動けるようになり、成長を実感しています。患者さんの状態を安定させていきながら疾患を絞っていくことは他の科にはないので、とても勉強になると思います。また救急科だと、どこの科にいっても出会うような場面を経験することができます。他の科を目指していても、若い頃に一度救急で勉強するのは自分自身の財産になるのではないでしょうか。興味のある方はぜひ病院見学に来てほしいです。

 

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川原 加苗 先生(こちらにさしかえ2)

INTERVIEW #04

やりがいがあって オンオフもしっかりある、 救急こそ女性医師におすすめです。

川原 加苗

救急医を目指した理由について教えてください。

最初は福岡の大学病院で呼吸器内科医からスタートしました。大学病院ではレントゲンやCT、エコーの診断をしてくれる専門のドクターがいるため、自分では画像診断をしていませんでした。しかし別の病院で働いたとき、自分で診断する必要性を感じました。大学病院であっても、画像診断のスペシャリストは夜間や休日は不在なので、その間は自分で診断しないといけません。そこで3年間、放射線科で画像診断を学びました。
その後また臨床に戻りたいと思ったとき、たまたま違う病院の救急から声をかけて頂いたんです。それからは13年間ずっと救急ですが、自分の性格ととてもマッチしている科だと思います。自分で診断して治療することにやりがいを感じますし、切羽詰まった救急の現場で、みんなで意見を言い合いながら仲間たちと頑張っている時間が好きですね。

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女性が救急科で働くのは大変ではないですか?

むしろ呼吸器内科医のときよりも時間のメリハリがつくようになりました。以前は一人主治医で毎日病院に行っていましたし、シャワーを浴びるときも常に携帯をそばに置いている生活でした。救急科はグループで診るので、オンとオフがしっかりと分けられています。女性医師が医師としてのやりがいと自信を持ちながら、仕事と家庭を両立するのには救急科こそピッタリだと感じています。
私は今年の4月から鹿児島市立病院で勤務していますが、実は自宅は福岡にあり、新幹線で通っているんです。向こうに夫と猫5匹がいるので、長距離通勤する選択をしました。それができたのも、今年からある程度柔軟な勤務体制をとるようになったのと、院長先生がお取り計らってくださったからです。現在は福岡から昼に来て、翌日の昼前に帰るスタイルを週に2回しています。

鹿児島市立病院の救命救急センターを選んだ理由は?

鹿児島出身というのもありますが、ドクターヘリとドクターカーがあり、プレホスピタルケアの活動に参加できることに魅力を感じました。さらにここは救命救急センターで、重症管理病棟があります。その場で診断して専門の科に任せるER型とは違い、重症の患者さんを診断して管理し、安定させて他の病棟や病院に引き継ぐまでが仕事です。このような重症管理も救急医療の魅力の一つです。また、当院は救急車で搬送される数こそ少ないものの、3次救急まで対応しているので重症度の高い患者さんが多く、そのような点でも勉強になります。

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研修医を指導するときに心がけていることはありますか?

研修医たちと一緒に同じ目線で仕事をして、共に頑張ろうと思えるのがベストだと思います。また、研修医にも性格がそれぞれあるので、その人に合わせてコミュニケーションをとるようにして、注意の仕方にも気をつけています。頭ごなしに否定するのではなく、まずは認めてあげた上でアドバイスするようにしていますね。とにかく仕事を一緒にすることが大切。「仕事がきついのはみんな同じだよ」と、私の働く姿から何かしら感じて、成長してくれたらうれしいです。

 

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