KAGOSHIMA CITY HOSPITAL 鹿児島市立病院

 - 生理機能検査部門 KAGOSHIMA CITY HOSPITAL

臨床検査技術科

h1_rinken

生理機能検査部門の紹介

生理機能検査は、直接患者様に対して行なう生体検査です。
心電図検査(安静心電図、負荷心電図、ホルター心電図)、肺機能検査、脳波検査、超音波検査(腹部、表在、頚動脈、心臓)、神経伝導速度検査、サーモグラフィ検査、誘発電位検査(ABR、SEP、VEP)などの種類があります。

心電図検査

心臓は、生体のポンプとして休むことなく収縮と拡張という機械的活動を続けています。
脳や中枢神経の命令がなくとも自ら働き続ける事ができる仕組みになっているのです。つまり心臓には常に電気信号が流れています。この微量な電気信号を体表面に置いた電極からキャッチして増幅するのが「心電計」で、その時間的変化を波形として記録したのが「心電図」です。胸と両手、両足に電極を装着して記録します。

ホルター心電図検査

携帯型心電計を用いて、日常生活中の心電図を長時間(24時間)記録します。
安静心電図あるいは運動負荷心電図では捕捉し得ない不整脈全般の検出や狭心症の把握などに有用です。

トレッドミル検査

負荷心電図の一つで、傾斜した回転するベルトの上を歩行し、傾斜の角度・速度を増加させる事によって運動負荷を行います。患者様の運動能力に合わせて行う事ができます。

肺機能検査

肺は空気を出し入れしながら、外気から酸素を取り入れ不要になった二酸化炭素を排出するガス交換を行なっています。患者様は、息が漏れないように鼻をクリップで留め、マウスピースをくわえて息を吐き出します。
ゆっくり吐き出す方法(肺活量)と一気に吐き出して計測する方法(努力性肺活量)があります。

脳波検査

脳波検査とは、脳から発生する微弱な電気的信号を波形として記録するもので、てんかんをはじめ脳腫瘍、脳血管障害や意識障害の程度を診断するのに重要な検査です。また、臓器移植の際の法的脳死判定に欠かせない検査となっています。

ASSR検査

ASSR(聴性定常反応)は、低域(500Hz)から高域(4,000Hz)の音を聴かせて、各周波数ごとの正確な聴力を推定できる検査です。乳幼児の精密聴力検査や補聴器のフィッティング及び人工内耳の適応検査の際に有用です。
(鹿児島県内では、当院のみ行なっている検査です。)

腹部・表在超音波検査

超音波とは、人間の耳に聞こえない程度の高い周波数の音(2~10MHz)のことです。
超音波検査は、探触子を用いて体内に入射し各臓器からはね返ってくる音の強さを画像としてとらえる方法です。

【 対象臓器 】
腹部 : 肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、子宮、卵巣、膀胱など
表在 : 甲状腺、乳腺、耳下腺、顎下腺など

頚動脈エコー検査

頚動脈は脳血管の一部ですが、全身の動脈硬化度を反映します。頚動脈エコー検査では、血管壁の厚さやプラーク(血液の塊)を測定することで、脳梗塞の危険性や全身の動脈硬化の程度が判断できます。さらに血流速度を測定する事により、脳内動脈の閉塞や狭窄を予測することも可能です。

心エコー(心臓超音波)検査

超音波を使って、心臓の大きさや形、動き、また弁の動きや血液の流れを見る事で心臓の機能を評価します。

心臓カテーテル検査

心筋梗塞や狭心症の患者様が、心臓を栄養する血管のカテーテル検査を受ける際心電図や血圧をモニタリングすることで患者様の状態を把握し、安心安全な検査を支えます。

筋電図検査

1.  神経伝導検査(NCS)
 神経伝導検査は、末梢神経及び筋における病変の有無を探索し病態の診断を行う上で欠かす事のできない検査です。
 また、末梢神経障害を大別すると軸策変性と脱髄に分けられ病態の主体がどちらかを判定することができます。

【 検査項目 】
 1. 運動神経伝導速度(MCV) 2. 知覚神経伝導速度(SCV)
 3. F波   4. H波   5. 反復刺激試験など

2. 大脳誘発電位検査
  音、光、電気などの刺激により起こる脳内の電位変動を頭皮上より記録し神経路の障害を調べます。

【検査項目】
 1. 聴性脳幹反応(ABR)  2. 視覚誘発電位(VEP)    3.体性感覚誘発電位(SEP)

3. 針筋電図
 筋肉内に針電極を刺入し、安静時の放電及び随意収縮時の放電を観察記録し総合的に障害レベルや障害部位を判定します。

サーモグラフィ検査

サーモグラフィ検査は、熱画像検査とも言われ物体の表面温度分布を画像化する方法です。
主な疾患は、閉塞性動脈硬化症(ASO)、バージャー病(TAO)、レイノー病、静脈瘤、深部静脈血栓症、リンパ浮腫などです。サーモグラフィの一番の利点は、身体から放射される赤外線を計測しているため危険はなく、無侵襲な検査法であり繰り返し行なえる検査です。

ABI(Ankle Brachial Index)/ CAVI(Cardio Ankle Vascular Index)検査

ABIは、下肢動脈の詰まりの程度がわかります。
CAVIは、大動脈から足首までの動脈の硬さの程度がわかります。
検査方法は、四肢の脈波、四肢の血圧、心電、心音の測定より求められます。

SPP(皮膚灌流圧)測定検査

SPP(Skin Perfusion Pressure)検査では、皮膚の血流によって、酸素や栄養が運ばれているかなどの皮膚表面の血行動態がわかります。傷がある場合には、傷が治りやすいかを血流の面から判断します。