乳腺外科
※ 最新情報(2019年10月更新)
女性専門外来(乳腺外科・婦人科)の開設について

鹿児島市立病院は、乳腺外科・婦人科が併設されている病院の一つです。今回、より専門性を向上させ、予約や待ち合いなどの療養環境を整備することを目的に、女性専門外来を開設しました。

乳腺外科・婦人科が連携することで、よりスムーズに効率的な診療が出来る様になりました。

 

【取り組み】

①毎週金曜日は、女性技師・医師による乳がん検診・子宮がん検診の同日受診が可能なります。詳細はこちらまで。 

②乳腺外科は1階Bブロックから、2階Fブロックに移動になりました。

婦人と同ブロックにすることにより、より女性に特化した外来づくりを目指していきます。 

 

※乳腺外科外来は、1階Bブロックから、2階Fブロックに移動になりました。

 女性に特化した外来づくりを目指していきますので、よろしくお願いいたします。 

※予約窓口:鹿児島市立病院 医療連携室  tel: 099-230-7103 (9:00~17:00)

 

 

 

 

乳がん検診のご案内 (2017年4月~)

当院では乳がん検診を月・火・水・金で受け付けております。お気軽にお越しください。

  (受付時間 8:30~11:00)

 

【予約窓口】 鹿児島市立病院 医療連携室  tel: 099-230-7103 (9:00~17:00)

 

※再診の方は、乳腺外科外来へ電話をお願いします。

 (平日15:00~17:00の電話をお願いいたします。) 

※【1】無料クーポン【2】いきいき受診券持参の方は、初診時選定療養費(5,400円)は必要ありません。

 【3】【4】の方で、保険診療かつ紹介状のない当科初診となる方は、

 初診時選定療養費(5,500円)が必要となります。ご確認ください。

  自費診療での検診の場合、初診時選定療養費(5,500円)は必要ありません。

※所要時間 2時間程度 (混雑により遅れることがあります。ご了承ください。)

  スムーズな受診のために、予約をお願いいたします。 

※有症状の方は、保険診療可能ですので、保険証をお持ちください。

 

【1】無料クーポンをお持ちの方

  マンモグラフィーのみ 無料

  ※超音波検査を追加することも出来ます。予約時・受診時にお問合せください。

【2】いきいき受診券持参、40歳以上の社会保険加入の方

  マンモグラフィーのみ

    40歳代 ・・・2,300円(2方向)

    50歳以上・・・2,3000円(1方向)

    70歳以上・・・無料

  ※超音波検査を追加することも出来ます。予約時・受診時にお問い合わせください。

  ※50歳以上の方は2方向のマンモグラフィーを追加することも出来ます。お気軽にお問い合わせください。

【3】上記に該当しない方 

  マンモグラフィー+視触診・・・9,000円前後

  ※有症状の方は、保険診療の適応になるため、保険証をお持ちください。

  ※超音波検査を追加することも出来ます。お気軽にお問い合わせください。

【4】有症状で精査をご希望の方へ

  特に紹介状は必要ありません。初診または再診での受付をお願いいたします。

  初診の場合、初診時選定療養費(5,500円)が必要となります。

  以下の方は、初診時選定初診料(5,500円)は必要ありません。

    ①いきいき受診券、無料クーポンを持参の方

    ②40歳以上の社会保険加入の方

    ③他科を3か月以内、当科を1年半以内に受診されている場合(再診扱いとなります)

    ④紹介状をお持ちの方 

 

外来診察受付曜日  (2018年8月~)

初診・再診 月・火・水・金  受付 8:30~11:00
(乳がん検診も上記の日時で受け付けております。) 

 

 月: 林 直樹、江口 裕可

 火: 江口 裕可、林 直樹 

 水: 吉中 平次、林 直樹    午後: 吉中 平次(セカンドオピニオン 要予約)

 木: 手術日のため終日休診

 金: 江口 裕可、林 直樹

 

【予約窓口】 鹿児島市立病院 医療連携室  tel: 099-230-7103 (9:00~17:00)

 

 ※再診の方は予約窓口は 乳腺外科外来 tel: 099-230-7000 になります。 

    (平日15:00~17:00の電話をお願いいたします。)


※再診の方は、予約優先となりますので
乳腺外科外来まで電話のうえ、予約をお願いいたします。

  初診の方は、予約はできませんのでご了承ください。

※毎週水曜日午後、セカンドオピニオンを受け付けています。お問合せ下さい。

    Tel:099-230-7103 

 

 

乳腺外科

 生活習慣の欧米化により日本人の乳がん疾患率は年々増加し、1996年以降は女性が罹患するがんでは最も多く、2014年のデータでは、生涯のうちに女性の11人に1人(9%)は乳がんに罹患することが示されています。2016年には女性の95,000人が乳がんに罹患し、第2位の大腸がん68,000人、第3位の胃がん・肺がんそれぞれ42,000人、第5位の子宮がん28,000人を大きく引き離して第1位です。罹患数の急増とともに乳がんで亡くなる人も増加し、2017年の乳がん死亡者数は14,285人、人口10万人当たり22.3人です。女性のがん死亡部位では大腸がんが第1位で23,347人、以下肺がん・膵臓がん・胃がんと続き、乳がんは第5位です。罹患数・死亡数ともに増加していますが、両者の開きは年々拡大しており、乳がんの早期発見、手術や薬物療法の治療法の進歩を示しています。

 当院では20155月に乳腺外科が開設され、乳腺外科・形成外科・病理・放射線科の各専門医に、看護師・薬剤師・放射線技師・超音波技師を含めたチームとして、より専門性の高い乳がん診療を始めています。乳がんは早期に発見されれば治癒可能ながんであり、当科では乳がん検診、集団検診の精密検査を通じた早期診断から、手術・術後補助療法・転移再発治療(抗がん剤、内分泌療法、放射線治療)を一貫して行っています。各科との連携と設備が充実し、マンモグラフィ、骨シンチ、CT MRIなどの検査から、手術・放射線治療・化学内分泌療法まで一つの施設で系統的に行える数少ない医療機関の1つです。手術では乳房温存手術やセンチネルリンパ節生検を積極的に採用し、当院形成外科と連携してエキスパンダーとインプラント、あるいは自家組織を用いた一次、二次の各乳房再建手術も実施しています。

患者さん一人一人にオーダーメイドの乳癌治療 

Ⅰ.手術を受ける患者さん
1. 術前
1) 進行度と広がりの評価

① マンモグラフィ(乳房X線写真)
 2018年3月に更新した装置は、Tomosynthesis(断層・合成)機能によって高分解能・高画質の乳房X腺写真(マンモグラフィ)が得られます。乳腺密度を自動で測定し、日本人に多く癌発生のリスクが高いとされる高濃度乳腺の客観的判定が容易です。同時に、Tomosynthesisは高濃度乳腺での病巣検出に優れています。断層ガイド下マンモトーム生検(トモバイオプシー)と造影マンモグラフィの機能を備え、小さな石灰化病巣からの安全・確実な標本採取、病巣の性状・進展範囲の正確な評価が可能です。
② 超音波検査
 2つの診察室の各ベッドサイドに、12MHzの探触子を備えた超音波診断装置を常備し、あたかも内科医の聴診器のように、日常の乳腺診察に利用しています。精密検診での良・悪性の鑑別に、癌の大きさ・広がり・性状診断に、リンパ節や肝転移の有無に、術後再発の有無に、進行・再発乳がんの治療効果判定に、視触診を補助し、一体化した診察手段です。
③ 細胞診、針生検、マンモトーム生検
 良・悪性の鑑別、がんの確定診断には、細胞診・組織診が必要ですが、病巣から正確に標本を採取するのに超音波映像のガイドが必須です。超音波診断装置をベッドサイドに常備していることで、部屋を移動することなく、躊躇することなく、超音波検査の一連の流れとして、安全・確実な穿刺吸引細胞診・針生検を行うことができます。良・悪性の鑑別が必要なマンモグラフィ上の石灰化で、超音波で病巣を捉えられず、ガイド下の細胞診や針生検が困難な病巣に対してはマンモトーム生検が必要です。トモバイオプシーで採取した標本を直ちに隣室の標本用マンモグラフィで撮影して石灰化病巣が採取されたことを確認し、短時間に確実なマンモトーム生検を実施しています。
④ MRI,CT、骨シンチ
  腫瘍の大きさ、乳管内進展の評価にはMRIが有用です。読みすぎる傾向にありますが、根治性を高めるためには適した傾向です。遠隔転移臓器として多いのは骨・肺・肝臓で、これらの検出感度の高い造影CTと骨シンチを術前ルチーン検査として行います。
2)術式の選択とデザイン
  乳房部分切除か乳房全切除か、センチネルリンパ節生検か腋窩リンパ節郭清で、予定術式は4通りに分けられます。それぞれの術式に応じて、前日に患者さんへの説明、切除側のマーキング、部分切除やTissue Expander挿入のデザイン、センチネルリンパ節生検のためのRI注入とSPECT-CTを行います。
① 乳房部分切除術
  前日、外来診察室で超音波ガイド下に切除のデザインを行います。まず手術
体位で、腫瘍辺縁から2.0~3.0cm離した円状の切除ラインを描きます。できるだけ距離を確保する理由は、病理組織所見で判明する乳管内進展が乳がんでは一般的にみられることによります。次いで座位または立位にし、下垂によって楕円形に変形した切除ラインの両端に追加切除を加えて紡錘形に変え、中央の1/2幅の皮膚も7相似形に合併切除するデザインとします。座位や立位での乳房の形状が術前後であまり変わらず、対側に比べてやや小ぶり、縮小するイメージです。
② 乳房全切除術
 腫瘍が大きい場合や乳管内進展が広い場合には乳房全切除になります。
腫瘍径が3cm以下、乳房の1/4以下が部分切除の一般的な適応です。
2013年以降、Tissue Expander(組織拡張器)/ Implantによる一次二期的な
乳房再建術が保険適応になり、当院でも、整形外科とタイアップして、広範な
乳管内進展のために乳房全切除になる場合などに積極的に実施しています。
Expander挿入予定、可能性のある症例では、2週間前までに切除予定乳房の
サイズ測定、術前日に挿入デザインを行います。
③ RI注入とSPECT-CT撮影
 前日の午後、核医学(RI)検査室で患側乳房の乳輪皮膚にフチン酸テクネシウム溶液0.6~0.8mlを注入します。酸による注入時痛が難点です。直後から放出される放射線を計測してSPECT-CT (シンチレーションカメラにCTを融合させた画像)を撮影します。センチネルリンパ節の同定、位置を3次元で確認でき、安心して翌日の手術に臨めます(図1)。

2.手術
1)乳房部分切除術
  予定通りの切除断端を確保する工夫として、①切除予定線にゼリー状にした色素を等間隔に注入します。②垂直に切開して乳腺組織を円柱状に切除し、大胸筋膜も合併切除します。熊本の銘菓、陣太鼓のイメージです。③乳切除標本のマンモグラフィ撮影を行い、中央に腫瘍の存在することを確認します。④乳頭側や上記マンモグラフィで腫瘍に近い断端を術中迅速病理検査に提出し、断端陰性を確認します。断端陽性の場合は追加切除や乳房全切除術への変更を行います。
2)乳房全切除術
 患者さんが希望し、術中迅速病理診断でリンパ節転移のないことが確認されたら、形成外科にバトンタッチしてTissue Expander / Implant挿入による一次二期的乳房再建術を保険診療で実施します。腋窩リンパ節郭清例では原則として一次的なTissue Expander挿入は行いません。侵襲の大きな手術での異物挿入は術後感染症合併の危険性があるためです。形成外科では二次的乳房再建術も行っていますが、これは乳房切除から期間を置いてTissue Expander/Implant挿入、あるいは広背筋皮弁などの自家組織を用いて行う乳房再建法です。
3)センチネルリンパ節生検
 確実な道程のために「RI・色素・蛍光併用法」を行います。色素はIndocyanine green (ICG)を用い、手術直前に乳輪皮膚に注入、蛍光カメラでRI集積部位への流れを確認します。ガンマプローブと蛍光カメラをガイドにリンパ節を摘出し、RIとICGの両者が集積したリンパ節(Hot & Green Nodes)をセンチネルリンパ節として迅速病理検索に提出します。転移陰性の場合は腋窩郭清を省略し、陽性の場合は腋窩リンパ節郭清を追加します。

3.術後
1.補助療法
 摘出標本の病理組織診断結果をみて術後補助療法を計画し、本人やご家族に説明します。乳房部分切除後の残存乳腺への放射線治療は、病理組織学的断端が近い場合や若年者を対象にします。化学内分泌療法は病理組織学的な進行度と組織亜分類(サブタイプ)に従って選択します。StageⅡ以上、即ち2cm以上の浸潤がんやリンパ節転移陽性の症例については何らかの術後補助化学内分泌療法が必要です。
1)ルミナールタイプ
 ホルモン受容体陽性で乳がんの65~75%を占め、内分泌療法が有効です。リスクの高い進行症例では化学療法を併用し、それが終わってから5~10年間の内分泌療法を行います。内分泌療法は閉経の前後で異なり、閉経前、一般に55歳未満ではエストロゲン拮抗薬、閉経後ではアロマターゼ阻害薬を使います。また、35歳以下の症例では卵巣機能抑制薬も併用します。
2)Her2タイプ
 原発巣でHer2/neu遺伝子が過剰発現した群で、乳がんの20~25%を占めます。
抗Her2療法としての分子標的治療薬がいくつか開発され、このタイプには極めて有効です。術後補助療法として化学療法との併用で1年間使用し、保険診療の適応です。
3)トリプルネガテイブタイプ
   エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・Her2/neu遺伝子のいずれも陰性の群で、乳がんの15%前後を占めます。ホルモン療法や抗Her2療法が無効なので、アントラサイクリンとタキサンを併用した標準的な抗がん剤を用いた化学療法を行います。しかし、標準的な化学療法に抵抗性を示す症例も多く、より有効な抗がん剤、分子標的治療薬の開発、普及が切望されています。

2.経過観察、フォローアップ
  定期的に経過観察、再発の有無を確認します。視触診・腫瘍マーカー・超音波検査は3カ月毎、CTと骨シンチは年1回にリンパ節転移陽性などのハイリスクでは術後6か月目を追加します。再発がない限り、10年間これらの経過観察を行います。また、対側乳がん発生のリスクが持続し、生涯を通じた頻度は10%近くになるので、対側乳房のマンモグラフィ検査も年1回追加します。

Ⅱ.進行・再発の患者さん
1. 進行がんに対する化学内分泌療法
 「乳房全切除+腋窩リンパ節郭清」までの標準術式で根治性が得られないレベルに進
行した症例では化学内分泌療法を先行するのが一般的です。局所から全身への進行度、針生検で得られた原発巣の組織学的亜分類、年齢や合併症を勘案して抗がん剤・ホルモン剤・分子標的治療薬を選択します。治療計画(レジメン)の段階毎に視触診・腫瘍マーカー・画像診断で治療効果を評価し、治療法の継続・変更を検討します。原発巣を切除する外科的な介入も望ましいとされています。
2. 再発に対する化学内分泌療法 
原発巣の組織学的亜分類に従って治療法を選択しますが、QOL ( Quality of Life ) を
重視してより副作用の少ないものから選択するのが一般的で、ルミナールタイプであれば内分泌療法から始めます。従来、再発の治療は延命を目的とした消極的な治療が主でしたが、最近では、抗Her2・内分泌療法抵抗性克服・遺伝子変異克服を目的とした分子標的治療薬が急速に数多く開発され、Her2タイプなどでは、完全緩解を示す症例も頻繁にみられるようになっています。

Ⅲ.症例検討会(カンファレンス)
  オーダーメード治療を実践するために、日々症例検討を行って、治療法や術式の選択・継続・変更を検討しています。毎週月曜日は朝にその週の術前検討、午後に術後最終病理組織や針生検標本の顕微鏡観察、毎月金曜日は化学療法カンファレンス、2月に1回は病理診療科・放射線科などとの合同で乳がんカンファレンスを行っています。

手術症例【2018年4月1日~2019年3月31日】

手術件数 ・・・・・69例

   ・全身麻酔                             ・・・・・60例

   ・局所麻酔                             ・・・・・9例

原発性乳癌・・・・・56例 (のべ58件)         同時性両側乳癌2例

      温存率                                                        ・・・・・41% (24/58件)

      腋窩リンパ節省略                                         ・・・・・62% (36/58件)

一次的乳房再建術・・・・・6件

   ・乳房切除術+腋窩リンパ節郭清                      ・・・・・19件 

   ・乳房切除術+センチネルリンパ節生検                 ・・・・・15件 

                 (うち2例は, 乳房部分切除術で断端陽性)

   ・乳房部分切除術+腋窩リンパ節郭清                   ・・・・・3件 

   ・乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検                    ・・・・・21件

再発乳癌・・・・・2例

   ・再発巣切除術     ・・・・・2例

良性腫瘍(繊維腺腫)     ・・・・・4例

学会認定施設

・日本外科学会認定研修施設
・日本乳癌学会認定関連施設
・センチネルリンパ節生検認定施設

・乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施施設

スタッフ紹介
役職 氏名

認定医・専門等資格名

特任部長

吉中 平次

・九州外科学会名誉会員

・日本外科学会専門医・指導医  

・マンモグラフィ 読影認定医

・日本乳癌学会乳腺専門医・指導医

・乳房再建用エキスパンダー/インプラント 責任医師

・鹿児島県生活習慣病検診等管理指導協議会

乳がん部会長 

医師 

林 直樹

 ・日本外科学会専門医

医員

江口 裕可

・日本外科学会専門医

・日本乳癌学会乳腺認定医 

・マンモグラフィー読影認定医 

嘱託医

 野元 優貴

・日本外科学会専門医

・日本乳癌学会乳腺認定医 

 ・マンモグラフィー読影認定医

・乳房再建用エキスパンダー/インプラント 実施医師 

鹿児島市立病院 〒890-8760 鹿児島市上荒田町37番1号
お問合せはこちらTEL099-224-2101 FAX099-233-3190