産婦人科

診療科・部門・センターのご紹介

産婦人科

産婦人科のご紹介

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鹿児島市立病院産婦人科は、以前より鹿児島県内の様々な産科合併症をもった患者様や、内科、外科、脳神経外科および婦人科関連の疾患などをもった患者様の治療を精力的に行って参りました。
また、さらに医療施設として充実すべく、2007年11月1日から6床の母体胎児集中治療ユニット(MFICU)を完備し、総合周産期母子医療センターになり15年以上が経過しました。
これまでと変わらず、胎児から新生児までの一貫した周産期管理を実践しております。
医師スタッフ10名、医員6名の16名余りで、MFICU6床、産科病棟37床の合計43床を管理しております。
鹿児島市立病院総合周産期母子医療センターの新生児部門(NICU 36床、GCU35床)のバックアップのもと、県内の80%のハイリスクの妊婦さんの管理を行っています。

産科(母体胎児医療)で取り扱う疾患

年間の分娩数は650件ですが、半数は様々な合併症を持つハイリスクの妊婦さんです。
最近5年間(2019年から2023年)の傾向を見ると、総分娩数3423例のうち94%は外来紹介です。耐糖能異常はその17%(540例)を占め、多胎妊娠11%(368例)、てんかん等の中枢神経疾患が3.1%(101例)を占めます。取り扱いの多い産科合併症は、69%(564例)が切迫早産と前期破水です。妊娠高家圧症候群は355例、前置胎盤143例、癒着胎盤36例、常位胎盤剥離が75例など、緊急性を要する重症疾患が多く含まれます。ヘリコプター搬送を含めた緊急母体搬送は1031例でそこからの分娩は全分娩のおよそ25%を占めています。
多胎妊娠は双胎妊娠359例、品胎(三つ子)8例、要胎(4つ子)1例で合計368例が当科で分娩(全分娩の11.7%)されております。なかでも一卵性双胎の管理が重要となってきております。双胎間輸血症候群を代表とする多胎特有の疾患を、早期に発見し管理することにより成績の向上が認められています。胎生16~26週でこの疾患を発症した最先端の治療として、2014年9月より内視鏡を用いた胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固を行うことが可能となりました。10年間で鹿児島県はもとより、熊本県および宮崎県全域からの患者さん約45人に治療を行い良好な成績を収めております。

専門外来とドクターヘリ 

2008年4月からはハイリスク妊婦さんの専門外来も個別に設置し重点的に検査管理する体制となりました。2011年12月からは日勤帯でドクターヘリが稼働し始め、緊急を要する妊婦、新生児の搬送症例が徐々に増加しつつあり、治療成績の向上に貢献しています。

扱う主な疾患・治療

産科疾患、胎児の形態学的な病気および内科疾患合併の妊婦さんの診察。

無痛分娩について

1. 無痛(和痛)分娩とは?

無痛分娩は、出産時の強い痛みを和らげる方法です。
意識ははっきりしたまま、陣痛の痛みを軽くすることで、リラックスしてお産に臨むことができます。麻酔薬は赤ちゃんに届く量がごくわずかであり、ほとんど影響はありません。麻酔のタイミング・量は慎重に調整します。赤ちゃんの状態は常に胎児心拍数モニターで確認しています。

2. 当院での無痛分娩について

対象 医学的に無痛分娩が必要と判断された方(心疾患、脳疾患、その他疾患で体に負担をかけたくない方)、無痛分娩を強く希望される症例
方法 硬膜外麻酔という方法で行います。脊髄の外側の硬膜外腔に背中から細いチューブを挿入し麻酔薬を注入する方法です。陣痛が増強した時点で麻酔を開始し、分娩が終了した後にチューブを抜去します。硬膜外麻酔のみで痛みが増強する場合は脊椎麻酔を追加することがあります。
担当 麻酔管理に従事している医師
費用

自己負担最大10万円(麻酔を施行した時間によって金額が変動)

  • 医学的適応の場合は保険適応になります。適応外の方は自費です。

3. 無痛分娩の流れ

陣痛が始まったら、子宮の出口が4~5cmを目安に無痛分娩を開始します

分娩室に移動し背中に細いチューブを挿入します

麻酔薬を少しずつ投与し、効果を確認します

麻酔が効いたこと、安全な場所にチューブが挿入されたことを確認し
陣痛室に移動し無痛分娩を管理します

4. 無痛分娩ができない場合

以下のような場合、無痛分娩を行えない可能性があります。

  • 産科的リスクが高く医師が安全に麻酔できないと判断した
  • 血小板が少ない
  • 出血傾向がある、特定の薬(アスピリン、ヘパリンなど)を服用中で休薬が不十分
  • 他のより緊急度の高い手術や処置をしている(安全が確保できないため)
実施できる医師が不在の場合があります。あらかじめご了承ください。

5. 無痛分娩のリスク
(代表的な副作用・合併症)

  • 血圧低下
  • 発熱
  • 尿閉(自力で排尿できない状態)→無痛分娩中は定期的に導尿が必要となることがあります
  • 胎児心拍数低下 (急速なお産の痛み緩和時の子宮筋過収縮が原因)
  • 硬膜穿刺後頭痛(頑固な頭痛、めまい、悪心など)
  • 局所麻酔薬中毒(耳鳴り、口唇のしびれ、舌の違和感、けいれん、不整脈)
  • 全脊髄麻酔(意識消失、呼吸停止)
  • 硬膜外血腫による下肢の麻痺
  • 硬膜外膿瘍
  • カテーテル切断
  • 薬物アレルギー(発疹、耳鳴り、血圧低下、ショック)

これらのリスクから母児を守るために、常に厳密なモニタリングを行いながら管理していきます。 上記を説明し同意をいただいた方に無痛分娩を施行しております。

専門外来

産科セカンドオピニオン外来:毎週火および金曜日。
受診される場合は紹介状(診療情報提供書)と検査・病理結果などの資料、画像資料等をご用意下さい。
なおセカンドオピニオン外来では診療行為(検査・治療)は原則として行いません。
セカンドオピニオン外来は完全予約制です。
予約につきましては産科外来までお尋ね下さい。

助産外来

2016年5月23日より始まりました。
詳しくはこちらをご参照ください。

診療実績

「診療実績」(2023年度)

  • 年間手術症例数             :989件(婦人科476件、産科513件)
  • 年間分娩件数(22週〜):615件―経腟分娩178件(うち双胎8件)、帝王切開437件
  • 母体搬送件数                 :217件

医師の構成

所属医師20名中男性13名、女性7名で、中学生までのお子さんの子育てをしながら働いている職員が多数います。
男女共同参画社会の実践を目指しています。

スタッフ紹介

氏名 プロフィール

部長
上塘 正人

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医/指導医/代議員
  • 日本周産期・新生児医学会(母体胎児)専門医/指導医
  • 日本女性医学学会指導医
  • 日本糖尿病妊娠学会評議員/理事
  • 日本妊娠高血圧症学会評議員
  • 母体保護法指定医師
  • 鹿児島大学臨床教授
  • 宮崎大学医学部非常勤講師
  • 医学博士
  • 日本産科医療補償制度原因分析委員
  • 日本医師会母子保健委員
  • 遺伝診療学会認定医
  • J-CIMELSインストラクター

科長
中村 俊昭

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医/指導医
  • 日本婦人科腫瘍専門医/指導医/代議員
  • 日本がん治療認定医
  • Japan Clinical Oncology Group(JCOG)member
  • Japan Gynecologic Oncology Group(JGOG)member
  • NRG Oncology Group member

科長
前田 隆嗣

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医/指導医
  • 日本周産期・新生児医学会(母体胎児)専門医/指導医/評議員
  • 母体保護法指定医師
  • 医学博士
  • J-CIMELSインストラクター
  • 日本産科医療補償制度原因分析委員

科長
谷口 博子

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医/指導医
  • 日本周産期・新生児医学会(母体胎児)専門医/指導医
  • 母体保護法指定医師

科長
竹野 宜代

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医/指導医
  • 日本婦人科腫瘍専門医/指導医/代議員
  • 日本がん治療認定医

科長
内藤 喜樹
(新生児内科兼任)

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医
  • 新生児蘇生法インストラクター
  • 日本周産期・新生児医学会(新生児)専門医/指導医
  • 臨床研修指導医
  • 災害時小児周産期リエゾン
  • J-CIMELSインストラクター
  • ALSOインストラクター
  • フォローアップ認定医

医長
松本 純 

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医/指導医
  • 日本がん治療認定医
  • 日本婦人科腫瘍専門医

医長
橋本 崇史

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医/指導医
  • 日本周産期・新生児医学会(母体胎児)専門医/指導医
  • 日本産科婦人科遺伝診療学会認定医(周産期)
  • 胎児心エコー認証医
  • 災害時小児周産期リエゾン

医長
中川 映理子

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医/指導医
  • 日本周産期・新生児医学会(母体胎児)専門医
  • 日本スポーツ協会公認スポーツドクター

医長
三浦 美沙

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医/指導医
  • 日本周産期・新生児医学会(母体胎児)専門医

医師
戸田 薫

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医
  • 日本周産期・新生児医学会(母体胎児)専門医
  • 母体保護法指定医師
  • 災害時小児周産期リエゾン

医師
庄 隆成

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医
  • 日本周産期・新生児医学会(母体胎児)専門医

医師
松宮 克樹

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医

医師

谷口 貴之

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医
  • NCPRインストラクター
  • 日本周産期・新生児学会(新生児)専門医
  • ALSOインストラクター

医員

伊集院 崇史

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医
  • 母体保護法指定医師

医員

和田 美智子

認定医・専門等資格

日本産科婦人科学会専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医

日本婦人科腫瘍専門医
日本がん治療認定医
日本産科婦人科学会腹腔鏡技術認定医

医員

野口 美耶

認定医・専門等資格

日本産科婦人科学会専門医

母体保護法指定医師

医員

保﨑 憲人

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医
  • 母体保護法指定医師

医員

石井 隆徳

 

医員

岩間 未紗

 

医員

日高 素希

 

嘱託医
橋爪 綾帆

認定医・専門等資格
  • 日本産科婦人科学会専門医
  • 母体保護法指定医師

外来診察・担当医師

研修医の先生へ

様々な産科合併症を持つ患者様の管理をはじめ、婦人科悪性腫瘍、周産期医療センターでの新生児医療の研修など幅広い分野で、豊富な臨床例の経験を積むことができます。

<経験できる疾患>
産科・婦人科におけるほとんどの疾患を経験できます。
(不妊症の専門的診療は関連施設での研修となります。)

<専門医・指導医数>
日本産科婦人科学会専門医指導医 9名
日本産科婦人科学会専門医 18名(令和6年度合格者2名含)
日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医 3名
日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍指導医 1名
がん治療認定医 3名
日本女性医学学会ヘルスケア暫定指導医 1名
日本周産期・新生児医学会(母体・胎児)指導医 4名
日本周産期・新生児医学会(母体・胎児)専門医 9名
日本周産期・新生児医学会(新生児)専門医 2名

ご紹介いただく先生方へ

  • 母体搬送用チェックリスト(診療情報提供書) Word形式
外観写真

INFORMATION

〒890-8760 鹿児島市上荒田町37番1号

交通アクセス

受付時間

月曜日〜金曜日8:30〜15:00

診察時間

月曜日〜金曜日8:30〜17:15

  • ただし、受付・診療時間は診療科ごとに異なるため、詳しくは各診療科までお問い合わせください。

休診日

土・日・祝日・年末年始(12/29〜1/3)